2013年6月1日土曜日

ホメオパシーと支配星にまつわる話


バルネ博士のアロマテラピーは、特殊な形態をもつものであっても、やはり「植物療法」の一つとして、あくまで科学的な手法を用いて、その作用を追求し、効果を確認する科学的なものである。

これに反して、マルグリット・モーリーのアロマテラピーは、再婚相手のホメオパシー医のモーリーの影響で、どうもホメオパシー的な色合いが強い。 

そんなところに、バルネ博士の本をパクッたロバート・ティスランドが惚れ込んだらしい。
ロバートのアロマテラピーは、この両者の間をふらふら往来する奇妙な、科学的にみえたり非科学的に感じられたりする「ブレ」るアロマテラピーだ。

ホメオパシーは、少量を用いるから有益だが、大量だと有毒(ほかにもいろいろ理屈を並べるが、要はそういうこと)な物質を利用する自然療法と称する。

でもこれは、科学的うんぬんを論じる以前の日常的常識。たとえば食塩は生命の維持に不可欠だが、摂りすぎてはさまざまに体に害を及ぼす。水だって同じこと。ただの水でも大量に飲めば、胃の中の胃酸が薄まって消化不良をおこす。

しかも、有毒物を水にまぜて薄めたものが人体に有効だというが、その物質の分子が、計算上、1個も入っていなくても、その物質は「霊魂」化して有効性を失わないという。ここで、多くの人は、もうこれはオカルト的だ、ついていけないと考えるだろう。

ロバート・ティスランドは、これをアロマテラピーにあえて導入した。英国人の魔術・神秘愛好趣味を考えてのことだと思う。英国のハーバリスト、アロマセラピストは、人体や植物体などに一定の影響を有する「支配星」なんていうのを好んで持ち出す。そりゃ、太陽や月のような天体が地球に、生命体に影響するのは当然だが、地球からはるかに離れた金星・火星・木星・土星・さらには天王星が、人を選んで、植物体を選んで影響を及ぼすなど正気で考えられるだろうか。

そういえば、ある占星術師が自分の母は蟹座生まれだったせいで、ガンで死んだといっていた。(カニは英語でcancer、ガンの意味もある)ことを思い出す。蟹座生まれの人は、全員ガンで死ぬらしい。さあ大変だ。

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