五月に刊行し、発売停止という、出版物としては稀な目に遭遇した私の著書、『誰も言わなかったアロマテラピーの《本質(エッセンス)》』 のその後について、ご報告しよう。
私は28年ほど前に、アロマテラピーを日本にはじめて体系的に紹介し、人びとに外国で刊行されたアロマテラピーを研究して、それを人びとに教え、小型の蒸留器で精油の抽出をしたり、英仏をはじめ、米国・オーストラリア・スイス・ドイツを訪れて、精油の原料植物を手にとって調べたり、外国で各国の研究者たちに、英語で自分の研究成果を発表したりしつづけてきた。
私は、本に印刷されたことを読んで、それをすべて真実だと信じ込む幼稚園児クラスの頭の持ち主ではない(おっと、これは幼稚園のこどもたちに失礼なことを言ってしまった)。
私は、ときには、日本だけでなく、諸外国の研究者たちのさまざまな立場から書かれた文献を熟読し、それぞれが信じるにたりるものであるかをあらゆる角度から丹念に検討し、可能な場合には外国の研究者に、じかに面会して、諸問題をできるかぎりつまびらかにする作業に明け暮れた。稼いだ金もすべて研究に費やした。
私は、外国の書籍を翻訳する際には、原則として、その原著者に直接面会して、さまざまに質問して、疑問を氷解させた。私の質問に、原著者が「これはまずいですねえ」といって、原書の文章を私の目の前で書き直したことも何度となくあった。そうした事情を知らぬ読者のなかには、「ここは訳者が誤訳している!」と、鬼の首でもとったように思ったかたもいただろう。
直接、原著者に面会して、ろくにものも知らぬ通訳などを介さずにお互いの意思を通わせるほど、相手の真の姿に接近するよい方法はない。アロマテラピーの専門家と称して、自分の知識を派手にひけらかしている人物が、あってみると、あらゆる意味で薄っぺらな人間だとわかったことも再三あった。英国のアロマテラピーの元祖といわれる男も好例だ。
一言でいうのは困難だが、相手と話を重ねて、その相手と「心の波長」を合わせるのだ。
すると、その人間自身も気づかぬ「何か」が読めてくるのである。
これがまた面白い。アロマテラピーとは直接関係ないことなのだが。
さて、私の著書『誰も言わなかったアロマテラピーの《本質(エッセンス)》』 を、あるアロマセラピストらしき女性が批評して、「この著者はアロマテラピーを勉強したらしいが云々」といっているのを読んで、私は思わず吹き出した。
ねえ、あなた。私がいなければ、今日のあなたも存在しないのですよ。そのことがまだおわかりになりませんか。もうよそう。「バカとけんかするな。傍目(はため)には、どちらもバカに見える」というから。
この本をめぐっての話は、前にしたとおりだから省く。
でも、さまざまな圧力に堪え、私の原稿を製本までしてくださった出版社の社長の勇気と信念には本当に感謝している。妨害と闘いつつ、アマゾンと楽天でこの書物を社長に販売していただいたおかげで、北海道からも沖縄からも、全国的に声援が送られてきた。各地から招かれもしている。本にかけなかったことを、日本全国で存分にぶちまけるつもりだ。
やはり、いまの日本のアロマテラピー界のありようには、おかしなところがある。変な部分がある。資格商売で、公共の利益をうたう法人でありながら、許されないはずの金儲けを大っぴらにしている協会がある。自分の使っている精油はインチキではないか、などと疑いはじめた人が、いま、全国的にひろがっている。
協会や精油会社などで既得の利益収奪権を必死に守ろうとしている連中が、ほうっておいてもどうということもない、私のささやかな著書を圧殺し、断裁しようとして血相を変えているのも考えればすぐその理由がわかる。
アロマテラピーを真剣に、まじめに学ぼうとしている全国の方々に呼びかける。
「あなたの財布だけを狙う、インチキ協会に、インチキ精油会社に、インチキアロマテラピースクールにだまされるな!」と。
日本で、いちばん早くから、いちばん深くアロマテラピーを究めてきた私だ。その私が、いま、はっきりいおう。いまのアロマテラピーの世界には、変なところ、怪しいところ、狂ったところがある。
ルネ=モーリス・ガットフォセの唱えた最初のアロマテラピーの、マルグリット・モーリーの唱道したエステティックアロマテラピーの、そして、ジャン・バルネ博士の植物医学的アロマテラピーのそれぞれの哲学を、今こそ見直すべきだ。
日本○○協会セラピストの資格をとるための、くだらぬ受験参考書などは捨てよう! 私たちは、もっともっと別に学ぶべきことがある。
それをしっかり念頭において、アロマテラピーをみんなで力をあわせてフレッシュなものに生まれ変わらせよう!
2013年6月25日火曜日
新しいアロマテラピーを目指して
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先生の書籍を拝見しお手数を送らせていただき、昨日お返事を受け取らせていただきました。
返信削除お忙しい中とても丁寧に対応してくださったことに心から感謝申し上げます。
本当にありがとうございました。
いつか先生にお会い出来ることを願って、今自分に出来ること必要なことの勉強を続けていこうと思います。
これからも先生のご活躍を楽しみにしております。
ありがとうございます。これからも頑張ります。
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