2013年7月4日木曜日

精油はなぜ効果を発揮するのか

ジャン・バルネ博士の名著『ジャン・バルネ博士の植物芳香療法(AROMATHERAPIE : traitement des maladies par les essences de plantes』には、興味深いことがいろいろ記されている。

月経を正常化するには、バジル油、ラベンダー油、ペパーミント油、クラリセージ油、タイム油などを用いるとよい。私(筆者)は、これらをキャリヤーオイルに適宜入れて、腹部マッサージしてはどうかと考える。

乳房を大きくし、泌乳を促すのは、アニス油、フェンネル油、レモングラス油などで、これらは、毎朝、歯を磨くように乳房にすり込むことをおすすめしたい(筆者)

血圧を下げる精油は、ラベンダー油、マージョラム油である。また、料理でガーリックを摂取するのも良い。

血圧を上げる精油としては、ローズマリー油、タイム油、セージ油などがあるが、これらの精油は副腎に直接作用して、アドレナリンの放出を促す力があるためだ。

精油はなぜ効果を発揮するのか。そう尋ねられてあなたは即答できるか。

ジャン・バルネ博士はまず、ロシアの学者フィラトフによる「生原体の刺激」という理論をとりあげる。

それによると、生体組織(人間・動物あるいは植物)が体組織から切り離され、苦痛の(あるいは生命を維持するのに困難を覚えるような[筆者])条件下(冷たさ、乾燥、蒸留など)におかれると、それらが何とかして生き残ろうとして必死になって、一種の抵抗物質を産出する。これをビオスチムリン、あるいはフィトスチムリン(bio は「生命体」、phyto は「植物体」の意、stimuline は「刺激素」の意味[筆者])と呼ぶ。

このビオスチムリン(フィトスチムリン)がすべての精油に含まれている。これが欠陥を生じた体組織に入っていくと、衰弱した生命プロセスを活性化し、細胞の代謝能力を強化して、各種の生理的な機能を改善するのである。

このビオスチムリン効果は、精油の特定の成分が発揮するのではなく、各種成分(未知の精油成分を含めて[筆者])が、総合的に作用して、そのプロセスの結果をして、肉体の異常を正常化することが発見されるのである。

これこれの精油が、こういう病的状態に有効だとレシピのようなものをならべた本はいくらもある。また、その炭化水素化合物の薬理効果を列挙している本はいくらもある。

しかし、それらがビオスチムリン、あるいはフィトスチムリンという、テルペン類とかフェノール類とかケトン類とかといったものの、それぞれの効果を総合した上位概念を設定しなければ、精油の効果を真に理解することはできない。

したがって、精油なり超臨界流体二酸化炭素抽出物なりの個々の成分ばかりにとらわれるのは愚劣なことである。
そうではなく、含有される各成分の、またそれらの成分と人体組織との相互作用にこそ、精油・超臨界流体二酸化炭素抽出物の効果の秘密がある。
このことがわからないようでは、アロマテラピーについて一生涯、次元の低い理解しかもてまい。

よくよく考えてほしい。ここが、アロマテラピーの真髄なのだから。



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