ベチバー(Vetiveria zizanoides)油
イネ科の単子葉植物。多年草。熱帯アフリカ、アジア、オーストラリア、アフリカ、南米などに、およそ10種が分布する。
学名:Vetiveria zizanoides Staph.
V. odorata Virey
Andropogon muricatus
英名ベチバー(vetiver)で広く呼ばれる。ベチベル(ソウ)といったころもあった。
精油の抽出:この草(1年に2度収穫できるところもある)の根および根茎を採取して日光にあてて干したものを水蒸気蒸留して抽出する。
生育地によって、その芳香と化学組成とに大きな差異がある。
・主要成分(%で示す)
ベチベロール 10
ベチベロン 9
ベチベロンエステル類 各種各様
(注)ベチバー油は、米国のFDA(食品医薬品局)で食品添加物に認定されている。
・偽和の問題
サイベラスのような他の草本の根とともに蒸留され、精油の量を増やす手が使われている。他の植物からとったベチベロールが加えられることもある。合成したカリオフィレン、シダーウッドの成分、アミリス油が添加されることも多い。
・毒性
LD50値
ラットで>5g/kg(経口)
ウサギで>5g/kg(経皮)
刺激性・感作性
ヒトにおいて8%濃度で、これらはいずれも認められなかった。
光毒性
なし。
・作用
薬理作用 モルモットの回腸で、in vitroで、弱い鎮痙作用が生じた。
抗菌効果 ベチバー油を蒸散させて、5種類の細菌のうち1種に有効であった。
抗真菌効果 弱い。
英国のアロマテラピー研究家、マギー・ティスランドは、毎日乳房を美しく保つためにツバキ油のキャリヤーにこのベチバー油あるいはゼラニウム油を混ぜてマッサージをしているそうである。
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