2014年9月11日木曜日

精油のシナジー効果を利用した精油の新しいレシピ(1)

①精油のシナジー効果について
 現在、フランスならびに、とくにスイス(そのフランス語圏)において、各種の精油のシナジー(英語:synergy、フランス語でsynergie〔シネルジー〕)効果を活用したブレンドを利用する、アロマテラピー実践家が増えてきている。
シナジー、あるいはシネルジーは「ある一つの目的を達成するために、複数のファクターを恊働させること」と定義できる。
したがって、精油のシナジー(シネルジー)という場合には、それぞれの精油成分の秩序のとれた、複合的な各種の働きが、極めて明確な一つまたはそれ以上の効果を的確に発現させることを含意する。
 
基本的なシナジー効果
 a) 鎮静:神経筋、自律神経系鎮静、蓄積され停滞したエネルギーの分散、筋肉拘縮弛緩
 b) 強壮:精油を適用した箇所のエネルギーの喚起、あるいはその部分へのエネルギーの供給。脊柱上部(頸部と肩甲骨上部)にブレンド精油を適用する。神経系ならびに心臓・呼吸器関連神経系へのエネルギーの充足を目的とする。
 c) 刺激:上述のb)とほぼ同じ目的であるが、c)ではとくに脊柱下部(その下部背面・仙腰椎)の強壮をめざす。腎臓の排泄・消化機能のエネルギー充填をめざす。
 
これのほか、個人個人の体質に応じたシナジー効果、体組織の刺激と強化とをめざすシナジー効果の発現を目的とする。
 
 
②現実にブレンド精油を適用する箇所は、そのほかさまざまある。
①でのべたのは、あくまでも現在行われているトリートメントの基本的な概略を示したもので、実際には、足裏の反射ゾーンや太陽神軽叢(みぞおち)の部分その他にも、ブレンド精油を適用して、めざす効果の発現を図る。
 
今回のレシピ
 ストレスは、さまざまな病気の原因となる。これはストレスが主として自己免疫力、自己治癒力の低下を招来するためである。
 今回は特に、ストレスに起因する心理的なわだかまりがいつも心を離れず、うつうつとしたり、夜もよく眠れぬような状態におちいったときに適用するとよいレシピである。
 
④注意事項
 ストレスに悩まされている場合、以下の精油を、それぞれホホバ油のキャリヤーに5〜6%の濃度に稀釈し、これらを合わせる。そして、この含剤を胸部全体に、また太陽神経叢(みぞおち)に、また両足の裏の「腎臓」の反射ゾーンにそれぞれ1日に3回ないし4回、1回に10〜20分かけてよくすりこむ。
使用する精油は以下のとおり。
 
 Chamaemelum nobile(ローマンカモミール)油
 Hyssopus officinalis(ヒソップ)油
 Ocimum basilicum(バジル)油
 Pelargonium graveolens(ローズゼラニウム、ゼラニウム、ニオイテンジクアオイ)油
 Thymus vulgaris linaloliferum(タイム・リナロールケモタイプ)油
 
これらの精油について若干の説明を加えたい。
 
 ローマンカモミール油
   ストレス関連活性成分として ー
    テルペンアルコール類 :トランスビノカルベオール、ファルネソール、脂肪族アルコール類(75〜80%)
    アセテート類     :イソアミルブチレート、イソブチルイソブチレート、その他
    モノテルペンケトン類 :ピノカルボン(13%)
    セスキテルペンケトン類:3−デヒドロノビリン
   などがあげられる。
   特性として ー
    鎮痙、中枢神経系鎮静(強力)
    抗炎症(かなり強力)
    抗神経性ショック(強力)
   禁忌はない。
 
 ヒソップ油
   ストレス関連活性成分として ー
    モノテルペン類(<20%):α,β-ピネン(それぞれ3.66%、2.78%)、カンフェン(2.46%)、ミルセン(2.07%)、リモネン(5%)
    セスキテルペン類(<8%):α-コパエン、γ-ブルボネン、他
    テルペンエステル類(<2%):リナリルアセテート(1.2%)、ラバンズリルアセテート、ゲラニルアセテート
    オキシド類(およそ60%):トランスリナロールオキシド(57%)、他
   特性として ー
    交感神経および太陽神経叢への作用
   指示 ー
    神経性抑うつ症(強力)、苦悶、心拍異常
   禁忌 ー
    生理学的用量においては、知られていない。
 
 バジル油
   ストレス関連活性成分として ー
    モノテルペン類(2%):α,β-ピネン
    セスキテルペン類:イソカリオフィレン、β-カリオフィレン、β-エレメン
    非テルペンおよびテルペンアルコール類(65%)
    フェノールメチルエーテル類(10〜15%)
    テルペンオキシド類(6%)
   特性として ー
    神経強壮(かなり強力)
   指示 ー
    神経性抑うつ症、無力症
   禁忌 ー
    生理学的用量においては、知られていない。
 
 ローズゼラニウム油
   ストレス関連活性成分として ー
    モノテルペノール類(55%):リナロール(3.8%)、シトロネロール(44.5%)、ゲラニオール(6.5%)
    テルペンエステル類(25%)
    モノテルペン類
    テルペンオキシド類
   特性として ー
    全身的強壮、鎮痛
   指示 ー
    神経疲労、無力症、他
   禁忌 ー
    生理学的用量においては、知られていない。
 
 タイム(リナロールケモタイプ)油
   ストレス関連活性成分として ー
    モノテルペノール類:リナロール(60〜80%)、テルピネン-1-オール-4
    テルペンエステル類:リナリルアセテート
   特性として ー
    強壮、神経強壮(中枢神経系、延髄、小脳)
   指示 ー
    神経疲労(強力)、ブドウ球菌性腸炎(強力)、他
   禁忌 ー
    生理学的用量においては、知られていない。
 
 
付記①
 私は、知り合いの心療内科の医師2名(いずれも大学病院の准教授)、メンタルクリニックの院長1名、ならびに有名製薬会社の研究開発部長1名に、これらの精油の外用によって、万が一、そのトリートメントを自分の体にたいしておこなう人間が、たとえばストレスに起因した疾病を患っていて、医師から処方された薬剤を摂取している場合、それと望ましくない相互作用を惹起しないかどうか尋ねてみた。
 この人々は、ストレス性の各種疾患を列挙して、消化器系、各種神経系、循環器系、呼吸器系、生殖器系、泌尿器系、内分泌系などにストレスが原因して発症し得るほとんどすべての疾患において、これらの精油のブレンドがまず危険ではない、少なくともその精油類が100%天然自然のもので、化学的増量剤など一切配合されていないかぎり、それらの精油が体内に浸透する量を考慮して、まず心配は不要であるとの見解を一致して示した。むろん、この医師たちはアロマテラピーについて、すべて一定の理解をしている人びとである。
 
付記②
 アロマテラピー用精油を販売しているショップは、全国に多数ある。そうした店の責任者には、責任感が強く、精油とその効果とについて不断に勉強を怠らない人もいるが、中には残念ながら、精油についての知識が乏しく、精油につけてある成分表、分析表すら理解できず、詳しく聞いても何一つ答えられず、回答を求める顧客に逆ギレして、ヤクザまがいの対応をする店長がたくさんいることも確かである。最近、マスメディアで話題になった認知症予防騒動をふまえて、このことをハッキリ申し上げておく。
人間には本来自己免疫力、自己治癒力がある。そうしたものを強化すること自体は現行の薬事法・医師法になんら抵触するものではない。そこで、これから紹介する各種のブレンド用精油は、かならず下記の注文先から購入して頂きたい。他店でお買いになった精油について生じた結果については、当方としても責任のとりようがないからだ。
ここで言っておくが、現在有名なブランドの精油は9割以上は、増量剤などが加えられたニセものである。そうしたことを十分にご考慮願いたい。
 
 問い合わせ先・注文先(ご注文の精油の在庫がない場合もあるかも知れない。その場合は、少々時間を頂きたい。何らかの原因で入手不能になるケースもあろう。ここでは一定のブランド品を売ることを目的とせず、世界で入手できるもっとも信頼できる精油をさがしてお取り次ぎすることをめざしているからである)
 
 
繰り返すが、アロマテラピー用の精油は100%天然のものでなくてはならない。
このブレンドを使用するにあたって、現在、何らかの疾患で医師の処方した薬剤を摂取している場合は、かならず医師の見解を問い、それに従うこと。
精油は購入後、出来るだけ早く使い切ること(冷暗所に保存して頂きたい)。
精油は各種の不自然な処理をうけたものであってはならない(脱テルペン、調合、過度の高圧高温下での抽出など)。

この記事は参考になりましたか?

少しでも参考になればSNSでシェアしてもらうと嬉しいです。
   ↓ ↓ ↓

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

0 件のコメント:

コメントを投稿