2014年4月3日木曜日

シダーウッド | 精油類を買うときには注意して!⑨

シダーウッド(Cedrus atlantica)油
 
これは、マツ科植物。ほかにテキサスシダーウッド(Juniperus mexicana、ヒノキ科)、ヴァージニアンシダーウッド(Juniperus virginiana、ヒノキ科)があり、これらからも精油を抽出する。
ふつうは、Cedurus atlantica(アトラスシダーウッド)の木部を細かく砕いたものを蒸留抽出した精油のことをさす(葉から抽出する場合もある)。
 
・主要成分(%で示す)
         アトラス    ヴァージニア    テキサス
 セドロール    16.5       24.0       26.8
 α-セドレン      6.5         3.1         4.5
 β-セドレン    24.6       21.3       31.5
 ツヨプセン    29.2       10.2       17.8
 
・偽和の問題
 各種のシダーウッド油は、まぜあわせて商品化されている。したがって、商品によって成分上、大きな差がある。
 純粋に1種類のシダーウッド油だけで売られることはまずない。
 そこで、シダーウッド油については、いわゆる偽和のことは、ふつう問題にされない。なお、ヴァージニアンシダーウッド油だけは、欧米で食品添加物にも用いる。
 
・毒性
 アトラス、ヴァージニア、テキサスの各種とも、LD50値は、
 ラットで>5g/kg(経口)、ウサギで>5g/kg(経皮)
 刺激性・感作性は、ヒトで8%濃度で、いずれも認められなかった。
 光毒性は報告されていない。
 
・効果
 テキサス、アトラス、ヴァージニアの各種とも、モルモットの回腸で弱い鎮痙作用を示した。
 殺菌作用抗真菌作用とも、どの種のシダーウッドもほとんど認められない。
 抗酸化作用も、どの種のシダーウッドにもないといってよい。
 
 いろいろな本で、この精油は各種の疾患にきわめて有効なようにいわれているが、実際には上記のようにあまり役に立たない精油と心得られたい。 

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