シダーウッド(Cedrus atlantica)油
これは、マツ科植物。ほかにテキサスシダーウッド(Juniperus mexicana、ヒノキ科)、ヴァージニアンシダーウッド(Juniperus virginiana、ヒノキ科)があり、これらからも精油を抽出する。
ふつうは、Cedurus atlantica(アトラスシダーウッド)の木部を細かく砕いたものを蒸留抽出した精油のことをさす(葉から抽出する場合もある)。
・主要成分(%で示す)
アトラス ヴァージニア テキサス
セドロール 16.5 24.0 26.8
α-セドレン 6.5 3.1 4.5
β-セドレン 24.6 21.3 31.5
ツヨプセン 29.2 10.2 17.8
・偽和の問題
各種のシダーウッド油は、まぜあわせて商品化されている。したがって、商品によって成分上、大きな差がある。
純粋に1種類のシダーウッド油だけで売られることはまずない。
そこで、シダーウッド油については、いわゆる偽和のことは、ふつう問題にされない。なお、ヴァージニアンシダーウッド油だけは、欧米で食品添加物にも用いる。
・毒性
アトラス、ヴァージニア、テキサスの各種とも、LD50値は、
ラットで>5g/kg(経口)、ウサギで>5g/kg(経皮)
刺激性・感作性は、ヒトで8%濃度で、いずれも認められなかった。
光毒性は報告されていない。
・効果
テキサス、アトラス、ヴァージニアの各種とも、モルモットの回腸で弱い鎮痙作用を示した。
殺菌作用・抗真菌作用とも、どの種のシダーウッドもほとんど認められない。
抗酸化作用も、どの種のシダーウッドにもないといってよい。
いろいろな本で、この精油は各種の疾患にきわめて有効なようにいわれているが、実際には上記のようにあまり役に立たない精油と心得られたい。
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