シトロネラ(Cymbopogon nardus 別の学名として Andropogon nardus)油
乾燥させたイネ科の植物、シトロネラの全草を水蒸気蒸留して抽出した精油。
このハーブは乾燥させないと、蒸留時にひどく燃料を要してしまうばかりでなく、抽出した精油の香りも悪い。そのため、干して余分な成分を蒸散させる。
産地はスリランカ、ジャワ、台湾、インドネシア、インド、中国
・主要成分(%で示す)
ゲラニオール 11〜26
シトロネロール 4〜24
シトロネラール 5〜48
リモネン 3〜9
カンフェン 0〜8
セスキテルペン類 産地により変動がある
・偽和の問題
シトロネラ油は安価なので、これのニセモノを作ることは、まずないといってよい。ただ、シトロネラ油自体、ゼラニウム油とバラ油との増量剤として利用されることが往々ある。メリッサ油のニセモノを作る場合、その成分の一部として配合することが極めて多い。
・毒性
LD50値は、
ラットで>5g/kg(経口)、ウサギで3.4〜6.7g/kg(経皮)
刺激性・感作性は、ヒトで8%濃度で、いずれも認められなかった。
しかし、皮膚炎患者の一部には、この精油を未稀釈で皮膚につけた場合、感作反応を生じたケースもあった。
光毒性はまだ試験例はない。
シトロネラ油に接触したとき、過敏に反応して湿疹を生じた例もある。
また、ニキビ様毛包炎が両手、各指、前腕部にこの未稀釈精油に触れて発生した例も報告されている。
・効果
in vivoでモルモットの回腸において痙攣惹起効果を示すことが判明した。
抗菌作用はかなり強力。
抗真菌作用も、かなり強力。
昆虫忌避作用があり、これを単独で使用したり、ゼラニウム油やパルマローザ油などと組み合わせて用いたりして虫を追い払うのに利用される。
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