◎フェノール類
・効果
① ー 強力な抗感染作用
② ー 殺菌・殺ウイルス作用
③ ー 殺真菌作用
④ ー 殺寄生虫作用
⑤ ー 免疫力刺激強化作用
⑥ ー 血圧上昇(昇圧)作用
⑦ ー 強壮作用
⑧ ー 体温上昇作用
⑨ ー 充血作用
◎注意
フェノール類には、生化学的に危険な成分(肝毒性、皮膚焼灼〔しょうしゃく〕性など)をもつものがある。
◎フェノール類を多く含有する精油類
カシア(中国シナモン)(Cinnamomum cassia)油
クスノキ科のこの木本の葉のついた小枝を蒸留抽出した精油。
これには、フェノール類(0.5%)、2-ビニルフェノール(0.4%)、イソオイゲノール(1.7%)、カビコール(0.6%)、4-エチルグアヤコール(2%)…総計5〜6%
が含有されている。皮膚焼灼性があるため5歳未満の小児に外用は禁忌。
ユーカリ ポリブラクテア種(Eucalyptus polybractea cryptonifera)油
フトモモ科の木本の葉から抽出する精油。テルペンフェノール類として、アウストラロール、カルバクロールを含む。
クローブ(Eugenia caryophillata)油
この木本の花芽を蒸留した精油。
フェノール類としては、オイゲノール(70〜80%)、シスおよびトランスイソオイゲノール、カビコール(0.29%)、4-アリルフェノールを含有。
オリガヌム コンパクトゥム種(Origanum compactum)油
シソ科の草本オリガヌム(オリガナム、オレガノとも呼ぶ。いずれも英語名)の花の咲いた先端部分と葉とから蒸留抽出する精油。
モノテルペンフェノール類を70〜80%も含む。その内訳はカルバクロール(主成分)、チモールである。
皮膚焼灼性が強いので、皮膚への適用には要注意。
オールスパイス(Pimenta dioica)油
ジャマイカ原産のフトモモ科のこの木本の葉を蒸留した精油。
フェノール類は、オイゲノール(70〜95%)、イソオイゲノール(6%)、カビコール(0.3%)。
この果実は、香味料として有名で、完熟前に採取して天日で干したものを挽いて用いる。これは、クローブ、ナツメグ、シナモンを合わせたほどの香味があることから、オールスパイスと呼ばれる。
ブラックペッパー(Piper nigrum)油
コショウ科のつる性木本の果実から蒸留した精油。
フェノールメチルエーテル類が(パラシメン-8-オールメチルエーテル、カルバクロールメチルエーテル)含まれる。
この木は、インド南部の原産で、熱帯各地で栽培。むかしは黄金に匹敵するほど高く評価されたことは有名。果実はエンドウ豆大の液果。熟すると赤くなる。この未熟果を干したものがブラックペッパー。成熟果を果皮を除いて干したものをホワイトペッパーと称する。肉の臭みを消すのに古来重宝された。ペッパーは英語でpepper(ペッパー)、仏語でpoivre(ポワーヴル)といい、いずれもサンスクリット語の「ピッパリ」に由来する。属名のPiper(ピペール)も同じである。
ウィンターセーボリー カルバクロールケモタイプ(Satureia montana ssp. montana carvacrolifera)油
シソ科のこの草本を生乾きにしたものを蒸留してとる。
近縁の植物にサマーセーボリー(Satureia hortensis)がある。これからも精油はとれる。いずれの精油も成分は似通っており、フェノール類としてカルバクロールを3〜67%含み、チモールを1〜49%含有する。
タイム チモールケモタイプ(Thymus vulgaris thymoliferum)油
シソ科のこの小低木の花の咲いた先端部分を蒸留して得る。フェノール分は、チモールケモタイプでチモールが32〜63%、カルバクロールケモタイプでチモールを1〜33%、カルバクロールで23〜44%。これと近縁のワイルドタイム(別名 セルピルム)油は、チモールを1〜16%、カルバクロールを21〜37%をそれぞれ含有。
アジョワン(Trachyspermum ammi)油
このセリ科の草本の成熟果を蒸留して得る。フェノール類としては、チモール(40〜48.5%)、カルバクロールを1.5〜6.8%含む。
◎主要なフェノール類
アウストラロール オイゲノール
カルバクロール チモール
カビコール
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