◎オキシド類
・効果① ー 去痰作用
② ー 抗寄生虫作用
③ ー 気管支・肺疾患治癒作用
④ ー 粘液分解作用
⑤ ー うっ血除去作用
◎注意
私たちがもっともよく精油の世界でであうオキシドといえば、ユーカリ類でおなじみの1,8-シネオールである。各種のオキシドは、それぞれの化学構造によって、おのおのに相当した特異的な作用を発揮する。この点に配慮すること。
◎オキシド類を多く含有する精油類
ヘノポジ(別名 アメリカンワームシード、ケノポジ〔ウム〕、ワームシード、アメリカアリタソウ)(Chenopodium ambrosioides var. anthelminticum)油
アカザ科の草本だが、日本などのアカザとは異なって毒草である。
これはヨーロッパの庭園などによく雑草として生えている。私が英国のノーフォーク州のラベンダー園を見学したとき、ラベンダー園の園長は、「この大型の草がいたるところ(everywhere)に生えてやっかいでねぇ」といいながら、この草をひっこぬいていた。この草は毒草だが、むかしのヨーロッパ人は、これを人体に害を及ぼさぬ程度に浸剤・煎剤にして服用し、虫下しにしていた。ワームシードの”ワーム”は「腹のなかの回虫」の意味である。
カルダモン(Elettaria cardamomum)油
ショウガ科の草本(偽茎)。この種子から蒸留抽出する。テルペンオキシドとして、1,8-シネオールを40〜45%も含む。カルダモンは、インド・スリランカ・インドシナなどに野生。インド人、古代エジプト人、ローマ人などに香味料として、また薬品として使われた。これの精油が多くの人にヨーロッパで用いられるようになったのは、1540年代半ばごろからである。
ユーカリ(Eucalyptus globulus)油
フトモモ科の大高木で、オーストラリアとその周辺が原産地。しかし、現在日本で販売されているのはほとんどスペイン産ユーカリ(木はせいぜい高さ40メートルぐらいにしかならない。オーストラリアでは樹高が140メートル以上にもなる。ユーカリにはこのほかにもおよそ600種の種類がある。コアラがその葉を食べるのはそのうちたったの10数種類にすぎない)。globulus種のユーカリのなかのテルペンオキシド(1,8-シネオール)は、70〜75%に達する。
ユーカリ ラディアータ種〔シネオールケモタイプ〕(Eucalyptus radiata ssp. radiata cineolifera)油
ユーカリの1種で、葉を蒸留して得る。テルペンオキシドである1,8-シネオールの含量は62〜72%。そのほか、ウンベリエポキシシクロモノテルペン、カリオフィレンオキシドが含まれる。
スパイクラベンダー(Lavandula spica〔latifolia〕)油
シソ科のこの低木の花の咲いた先端部分を蒸留して得る精油。テルペンオキシド類として、1,8-シネオール(25〜38%)、カリオフィレンオキシド、シスおよびトランス-リナロールオキシド(それぞれ痕跡量〜25%および0.1〜1.5%を含む)。
カユプテ(Melaleuca cajuputii)油
フトモモ科のこの大木の葉を蒸留して抽出。テルペンオキシドの1,8-リナロールがこの主要成分。マレーシア、インド、中国などでむかしから家庭薬として、胃の障害、皮膚病などの万能薬的な存在とされてきた。これには、今の日本人がもっとも気にしている放射能から人体を保護する働きがあるらしい。今後の専門家たちのこの精油についての研究に期待するところ大。
ローズマリー〔シネオールケモタイプ〕(Rosmarinus officinalis cineoliferum)油
1,8-シネオールが主要成分。ベルベノンケモタイプ油は、1,8-シネオール含量が痕跡量ないし20%。
ローズマリー ピラミダリス種(Rosmarinus pyramidalis)油
1,8-シネオールの含量は多い。
セージ ラワンドゥラエフォリア種(Salvia lavandulaefolia)油
あまり入手は容易ではないが、このシソ科低木の花の咲いた先端部分を蒸留して抽出した精油も、テルペンオキシドの1,8-シネオール含量は32%と多い。
スパニッシュマージョラム 〔シネオールケモタイプ〕(Thymus matrichinus cineoliferum)油
1,8-シネオールの含有量は、55〜75%と多く、ほかにカリオフィレンオキシドも微量ながら含んでいる。
◎主要なオキシド類
アスカリドール(ヘノポジ油に40〜80%も含まれ、これが強力な駆虫作用を発揮する)
ビサボロールオキシド
1,8-シネオール
メントフラン
ピペリトンオキシド
サフロール
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