今年も一年ご愛読くださいまして、有難うございました。
来年もよろしくお願いします。
高山 林太郎
リツェアクベバ(Litsea cubeba)油
学名 Litsea cubeba Lam. , 別名 Laurus cubeba Lour. , Lindera citriodora Sieb. et zucc.
リツェアクベバは、クスノキ科ハマビワ属の双子葉植物。ハマビワ属は落葉または常緑の高木。熱帯から温帯にかけて広範に分布し、アフリカとヨーロッパとを除く世界各地に、この近縁種がおよそ400種も生育している。これを「リトセア」などと発音してはNG。
L. cubebaは、和名をアオモジ、タイワンヤマクロモジといい、英名はMoutain spice tseeまたはMay chang tree、中国では山鶏椒などと呼んだりする。この木は強い芳香を放ち、わが国では本州西部、九州に生えており、西マレーシアの熱帯に広く分布し、熱帯では常緑になる。果実は香味料にされ、木材は楊枝(ようじ)になる。現在、この主要産地は、中国南部、台湾。
・精油の抽出 この木のコショウに似た果実を採取して、これを水蒸気蒸留して採油する。
・主要成分(%で示す。およその目安である)
ゲラニアール 40.6
ネラール 33.8
α-ピネン 0.9
β-ピネン 0.4
ミルセン 3.0
シトロネラール 0.6
・偽和の問題
この精油は、ずっと安価なレモングラス油で偽和されることがよくある。
・毒性
LD50値
ラットで >5g/kg(経口)
ウサギで >5g/kg(経皮)
刺激性・感作性
ヒトにおいて8%濃度で皮膚に適用した場合、いずれも認められなかった。
光毒性
まだ、これで試験した例はないようだ。
・作用
薬理作用 モルモットの回腸で(in vitroで)この精油は強力な鎮痙作用を示した。リツェアクベバ油をモルモットの腹腔内に注射したり、モルモットにこの精油の蒸気を吸入させたりして投与すると、あらかじめ気管支収縮(狭窄)剤を吸入させて惹起した喘息発作を抑えることがわかった。
リツェアクベバ油はまた、ラットにおける皮膚のアナフィラキシー(誘発性過敏症)を、さらにモルモットにおける卵の蛋白質への感作によるアナフィラキシーショックをそれぞれ抑制することが判明している。
抗菌効果 25種の各種細菌において、その16〜18種に、またリステリア属の標準種の細菌Listeria monocytogenesに対して抗菌作用があることが研究者によって確かめられている。
抗真菌効果 各種の真菌に対して、強弱さまざまな効果がある。
抗酸化作用 この活性はない。
0 件のコメント:
コメントを投稿