パルマローザ(Cymbopogon martinii Stapf. var. motia、別名 Andropogon martinii Roxb. var. motia)油
イネ科のオガルカヤ属の多年草。これに属するものは、アフリカ・アジアの熱帯と亜熱帯との各地方に生える。
イーストインディアン油、ターキッシュゼラニウム油とも称される。バラを思わせるフローラルな甘い香りの精油。
原産地 インド、マダガスカル、中央アメリカ、ブラジル。
現在も、これらの地域で栽培されている。ほかにコモロ諸島およびセーシェル諸島でも、これが栽培され、精油が生産される。
精油 花の咲く前に収穫した全草を、1週間ほど乾燥させてから水蒸気蒸留して搾油する。
・主要成分(%で示す)
ゲラニオール 76〜83
ゲラニルアセテート 5〜11.8
リナロール 2.3〜3.9
ネラール 0.3〜0.6
ファルネソール 0.3〜1.5
β-カリオフィレン 1〜1.8
以上はおおよその目安であり、産地その他の条件により、成分に相当な変動がある。
パルマローザの近縁植物に、Cymbopogon martiinii Stapf. var. sofiaがある。これは「ジンジャーグラス」と呼ばれる。これからジンジャーグラス油を蒸留抽出する。
C. martinii var. motiaとC. martinii var. sofiaとをまとめてパルマローザ油と称することもある。Var. motiaのほうが品質のよい洗練された香りの精油と考える人のほうが多い。
・偽和の問題
ジンジャーグラス(Var. sofia)は、野生で収穫しやすいことから、これからとった精油を偽和剤とすることがひろく行われている。しかし、ジンジャーグラス油のゲラニオール含有量は、Var. motiaよりも少ない。偽和のために、さらにテレビン油、シトロネラ油、合成したゲラニオールが加えられることもよくある。
また、このパルマローザ油自体も、ゼラニウム油、バラ油の増量のために利用されることが多い。
・毒性
LD50値
ラットで>5g/kg(経口)
ウサギで>5g/kg(経皮)
刺激性・感作性
ヒトにおいて8%濃度で認められなかった。
光毒性
報告例なし。
・作用
薬理作用 モルモットの回腸で、in vitroで鎮痙作用を示した。
抗菌効果 各種の細菌にたいして、かなり強力な抗菌力を発揮する。
抗真菌効果 中程度の抗真菌作用を示すことが報告されている。
その他の作用 かなりの酸化防止力がある。また、CNVの波形を見ると、この精油の芳香にはリラックス作用があることがわかる。
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